最近は、あまり焦らなくはなったのですが、何か目指していると
まだこんな所にいる自分を嫌になる事ってありませんか?
私は、ずっとそうでした。
良い出会いがあって、年間計画、その先の計画、自分のビジョン
・・など、ハッキリさせることで、少し楽になりました。
でもね、日々、反省なわけです。
今日は、昔書いたエッセイを紹介しますね。
これは、相馬にある『百尺観音』のお話。
それも、私がヘヴィメタを歌ってた頃のお話です。
2000. 2. 7 『百尺観音』
百尺観音って聞いたことありますか?
おそらくご存知ないと思うんですが、福島県の相馬市という所に
あるんです。
私も、行ったのは一度きり。
その後どうなっているのかも知らないのですが・・・
私がそこに初めて行ったのは、ちょうど 「ヘヴィメタ・バンド」 に
没頭し始めた頃でした。
コンテストなどで優勝などするものの、いまいち思うようにいかず、
悩んでいた時のことです。バンドでパーティの仕事をした時に知り
合った、設計会社の社長さんが
「それなら、いい物を見せてあげましょう」
と、連れて行ってくれたのが仙台から車で小1時間の福島県の相馬
という所でした。
行きの車の中、私の友人としてずいぶん悩みを聞いてくれながら、
こんな話をしてくれたのです。
相馬という所に一人の彫刻師がいて、お寺の仏像やら観音様など
お寺から注文された仏像を彫っていた。
ある時彼は、このまま一生を終わっていいのだろうか?・・
小さな作品も良いが、一生かけて大きな作品を作るべきなのでは
ないか?と思い、ぱったりと神社やお寺からの注文を辞め、崖を
切り崩して、大きな観音様を作り始めた。
彼の生活を支えたのは奥さんで、働きに行って食べる分だけ稼いで
・・・と、苦しい生活だった。
そして、完成途中で彼は死に、その息子が後を継いだ。
その息子もこの世にはいなくて、その観音様は百尺で止まった
ままになっている。
二代にわたっても完成しなかったという、百尺観音。
ひとしきり話し終えた社長さんが一言。
「音楽を始めて、何年です?」
「バンドを始めて三年ぐらいです。」
私は、小さな声で言いました。
「ある有名な絵描きは、95歳で亡くなる時、後2年あったら自分の
芸術は完成していたのに・・・と言って亡くなったそうです。
まだまだじゃないですか。百尺観音は、それよりも多くの年月を
かけても完成せず、そのままになっているんです。」
なんだか、情けなくなって泣けそうでした。
初めて見る百尺観音は、京都などで見る仏像や観音様と違って、
華やかさはなく、仰々しく奉られてもいませんでした。
ただ小さな立て札に説明文があり、賽銭箱がこじんまりと
備え付けられていました。
それでも、なんとも言えない優しい表情は今も心に残っています。
それから、何か焦ったり、小さな事で悩んだりすると、あの観音
様のことを思い出します。
いつかもう一度あの場所へ行くことがあったら、たくさんお礼を
言いたいと、思っています。
>>百尺観音
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ね?だからさ、焦らず行き(生き)ましょ〜。
階段は、一段づつしか確実に登れないもん。
駆け足で登ることがあっても、確実に定着するには時間がかかり
ます。ま、のんびりしすぎもダメかもですけどね。
*頑張りすぎず、頑張ろうね
*1日は、平等に24時間のみ。睡眠は全てにおいて栄養ですっ!
倒れちゃったら、元も子もないからね!!