今日、ある方から電話があった
あと1年の命です・・と。
昨年のバースデイライブに来てくれた方で、被災地支援の
『キラキラうた旅』にも参加してくださった方からだった。
笑顔の素敵な、コーヒー好き。
私が出会ったのは、小金井公園だった。
主人のジェラートショプを手伝った時、毎日マラソンをして
いる、かっこいいおじさま。
よくよく話を聞くと、コーヒーショップを経営している方で、
息子に代を譲った、実はすごい方だった。
でも、偉そうなところは一つもなくて、息子の店で出してる
コーヒーより美味しいよって、いつも飲みに来てくれた方だった。
そして、私が歌手だとわかると、コンサートにきて下さるように
なり、私を歌の先生と呼び始めた。やめて下さいよ~!って言っ
ても「いや、音楽の先生だから」って、譲らなかった。
そんな、普通のお客さんとの距離感を縮めたのが、『キラキラ
うた旅』への参加だった。
自分も被災地に行きたいけど行けない人間だからと、参加して
くださった。
一緒に行って、美味しいものを食べ、被災地にお金を落として、
冴理さんたち音楽をやる方のお手伝いができたら、それで良い
って参加してくださったのだ。
私、正直、驚いた。
その方の人生が、終わろうとしている。
きっと充実した、面白い人生だったんだろうと、私は思うけど
本人がどう思っているかは、わからない。
そして今、私の残りの人生で何ができるのか?を考えた。
今日、レッスンの帰り、主人がお世話になっている方と飲んでる
席に遅れて参加した。
いつも笑顔でパワフルなその方は、なんと、鬱で悩んでいた。
私の経験と、同じ経験をした方からの言葉を伝えた時、熱く手を
握られ「ちょっと歩ける兆しを見せてもらった、ありがとう」
って・・目が潤んでいた。
私のできることって、何かやってあげることではなくて、ただ、
ただ、私の経験をお渡しすることかもしれないと今日、思った。
やってあげるという思いは、おごっている感じがするけれど、
経験を語ることは、飾りのない、ただただ、持っているものを
見せてあげること、そのままお渡しすることかなと思う。
サクセスボイスに出会って、代表の岩谷翔さんから
「どうやったら冴理さんのようになれますか?その30年の経験を
形にしませんか?」と言われて作った『Vocal Tech Brake Though』
これって、私の経験・・失敗と成功を形にして、化学的&数値的に
したものだ。
音楽をやっていく上での、大切なこと、必須なこと、そして何より、
あなたがあなたを好きになることが詰まっているレッスンである、
これを世の中に広めなかったら、私の生きてきた意味がないなと、
思う今日この頃。
そして、何度も転んで来た私だからこそ、お渡しできるつっかえ棒を
作ることができるんじゃないかなと思う。
やっぱ、死ぬまで生きる!!
そう思った、2019年の3.11だった。